こんにちは。R plusAブログの時空です。今回は、行政について綴っていきたいです。以下、当記事のポイントです。
こんにちは。R plusAブログの時空です。
①立法、行政、司法の上位に国民の総意があり、国民の意志と同意により三権は力を得る②法の支配は究極的には個人の尊厳を重視しており、基本的人権の保障を目的としています③国民の意思と同意により運営される議会の規律が、その最高法規である憲法より上位にある
④消極説は、国家権力から立法と司法を引いた残りが行政ということです⑤積極説は、行政を法によって運営される現実的で統一性のある国家の持続的な活動とする⑥規制行政は、国民の、権利や自由などに法的に制限を加えることを言います
⑦給付行政は、金銭や物品、サービスの給付あるいは設備の提供を通じて社会のニーズに応える⑧調達行政は、行政資源を調達する形で国民の権利や自由を侵害する行政活動を行います⑨法治主義は、このような行政活動は法に従って行われなければならないという原則です
⑩法治主義は、行政活動が法を根拠とすることに、その意義を見出すことができます⑪法治主義では行政活動は「法」などの議会の承認を条件に行われることを求めます⑫国民主権という国民によって信託を与えられた行政権が国民の意思を反映しなければならない
以上です。ご清聴ありがとうございます。時空。
// 三権分立について
民主政治での国家論では、国民が独自に持っている統治権を一部の専門家や組織に貸し与える法律理論として、国家の三権、つまり国家での三つの権力、から成立するという理論を採用しています。
法律理論の上では、この三権つまり立法、行政、司法の上位に国民の総意があり、国民の意志と同意の下に、この三権の権限は正当性を得ます。この三権の土台となる理論として法の支配が挙げられます。
法の支配とは国家権力が客観的であり合法的な法によって運営されることを念頭に置いています。また、法の支配は「人による統治ではなく、法による統治」と言われています。法の支配は究極的には個人の尊厳を重視しており、基本的人権の保障を目的としています。
法の支配と同じような考え方に、一九世紀のドイツで台頭した「法治主義」があります。法治主義は以下、行政の解説で再び記述しますが、憲法は法律の頂点である最高法規ですが、最高法規に縛られることなく、国民の意思と同意によって運営される議会の規律が、その最高法規である憲法より上位にあり尊いものとされています。
もう一つ、法の支配と並んで三権において重要とされる理念に三権分立あるいは権力の相互関係原理があります。この三権分立には二つの効果があります。一つは、社会的な勢力や社会的な権力に対して、どのように調整手続きを行うかであり、もう一つは法としての国家の権力を分配してバランスさせるというところに主眼が置かれています。
今回のレポートのテーマは行政についてなので、以下では行政について記述します。行政の最初の説明として、消極説(控除説)と積極説が挙げられます。まず、消極説としては学術的な定義に「国家作用のうちから、立法および司法を除いたもの」とされており、こちらの消極説が日本では主流の考え方でした。つまり、国家権力から立法と司法を引いた残りが行政ということです。
一方、積極説では、「法の規制を受けながら現実具体的に国家目的の積極的実現をめざして行われる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」とされています。つまり、法によって運営される現実的で統一性のある国家の持続的な活動のことを指していると言えます。
行政とは行政活動を法の下で行う主体ですが、行政活動とは、例えば、市役所、公民館、市民会館、学校、税金、ごみ収集、道路、上下水道、社会福祉など、国、都道府県や地方公共団体によって運営されているサービスのことを言います。
日本における行政活動は、①規制行政、②給付行政、③調達行政の三つに分けることができます。①規制行政とは、国民の、権利や自由などに法的に制限を加えることを言います。典型的なタイプは社会的であり公共的なものへの危害を防ぐための消極的な規制です。この消極的な規制を実現する方法に、許可制度などが用いられます。車の運転や飲食店の営業活動など公共の安全や衛生確保の観点から必要最低限の規制がなされています。
一方、公害規制や経済規制は個人の自由な活動に任せていては害悪や紛争が避けられないことから国による積極的な規制が施されます。また、鉄道事業や電気事業など免許制度が導入されることがありますが、申請したものの中から最適者を選別して独占事業を許可する一方、消費者の利益的な観点から独占事業者に義務を負わせたり(サービス提供義務など)、行政機関による監督などを認める点で、許可制とは異なる制度です。
つまり、許可制度は消極的な必要最低限の規制であり、免許制度は積極的な規制であると言えます。土地の利用規制も存在しますが、土地所有者に強力な制限を加えることで、土地という公共的なものを用いて社会を統制します。
②給付行政では、金銭や物品あるいはサービスの給付、また施設設備の提供を通じて社会のニーズに応える行政活動が行われます。まず第一に、給付行政では、日本の憲法で定められている生存権の下に社会保障の分野での社会的弱者に給付活動が行われます。
さらに、上で述べたように、国、都道府県や地方公共団体によって運営されるサービスの給付という活動も加わります。また、情報開示という形では、市民の知る権利という考え方に応えるために、必要な情報を提供する責務を行政は負います。
③調達行政では、租税の徴収や土地の収容自体を主な目的とするのでは無いですが、行政資源を調達するという形で国民の権利や自由を侵害する行政活動を行います。租税については、申告内容が正しくなければ、課税処分により一方的に納税義務が課せられ、納税義務を怠れば、「滞納処分」という強制徴収が行われます。
行政活動は以上のような、①規制行政、②給付行政、③調達行政による三分類のみならず、他にも市民の生活に直接関与しないような行政活動も存在します。
行政と法の関係では、まず法治主義の原理に従うという事実が存在します。当レポートの冒頭で述べたように、法治主義は、市民生活に関わる公共的なサービスを提供していくうえで、このような行政活動は法に従って行われなければならないという原則です。
この法治主義の内容として主に二つの要因が挙げられます。
第一に、法治主義は、行政活動が法を根拠とすることに、その意義を見出すことができます。遠い昔の専制君主制度では行政活動はその長である君主によって自由に行われたはずです。しかし、専制君主以降の国民主権を説く近代国家では、国民議会の代表である国会議員が認める法律を根拠としなければ、その行政活動は許されないことになります。今日では、行政活動は法律から権限を得なければなりません。
第二に、法治主義では行政活動は「法」などの議会の承認を条件に行われることを求めます。違法な行政活動は許されませんが、もし違法な行政活動によって何らかの損害が出たとき、それを正し、損害の回復が図られます。つまり、行政活動は法によって権限を与えられると同時に、法によって制限されます。
// 法について、まとめて述べる。
現代国家の法治主義では、国民の権利を保障するという観点から、基本的人権を行政が遵守し、それを擁護する存在でなければならない(実質的法治主義)とします。国民主権という国民によって信託を与えられた行政権が国民の意思を反映しなければならないのは民主主義的な社会的コントロールの上では当然の帰結だと言えるからです。
法治主義の下では、行政活動は法の範囲内で一定の裁量権、つまり自由な権限、が与えられます。この裁量権を行政裁量と言いますが、法の要件を満たすかどうかの裁量(要件裁量)、措置を取る必要があるかの判断に関する裁量、または、どのような措置をとるべきか判断する裁量(効果裁量)から成り立っています。このような行政活動の結果である、行政効果からは行政権の裁量に逸脱や乱用などがなければ、裁判所は行政の判断を尊重する必要があるということです。
行政活動を構成する要件としては、行政処分、行政指導、不服申立て、訴訟、国家賠償などがあります。また、国に限らず、都道府県や地方公共団体など国と上下関係があるわけではないですが、独自の領域で行政活動を行う「法人」の存在も忘れてはならないと言えます。
以上です。ご清聴ありがとうございます。時空。
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