こんにちは。R86plusAブログの時空です。企業は素早くお客様のニーズを知る必要があります。お客様がどのようなことが不便で改善してほしくて、意識してないけど重要と思っているかを察する必要があると言えます。
オー、グッジョブ!!経営学では、フォード社とGM社の話は有名です。フォード社はT型フォードという自動車を大量に生産する方法を考えました。製造業には「規模の経済」とよばれる理論が存在しており、大量に作るほど固定費が分散するので、製品を作るコストが安くなるということです。
これは経済学の話でもありますが、多くの商品は可変費用と固定費用から構成されています。そこに、そこそこ大きな利益が上乗せされているのが現実的な製品価格なのではないでしょうか。
ここで固定費とは工場などの設備や労働者の給料のことを言います。短期間で見たとき工場を大きくしたり、労働者の給料を上げ下げしたりするのは難しいので、これらの費用を固定された費用とします。
固定費は感覚的には変更しようとすれば1年以上かかる費用のことです。当然、この固定費が一定なら、つまり人材が一定なら、大量に生産したほうが、つまり50個作るより100個作る方が1個あたりの人件費などである固定費が少なくなることになります。
また、可変費とは生産物の材料費などで、基本的に少量の生産でも大量の生産でも1個あたりの材料費は変わらないので、大量生産したら「総」材料費は大きくなります。総材料費=1個あたりの材料費(可変費用)x生産量。
念のため、もう一度言いますが、生産量に関わらず1個あたりの材料費は可変費と言います。生産量は短い期間で変更可能なので、つまり可変費は短期的な考え方と言えるでしょう。つまり、何が言いたいかと言うと、T型フォードは大量に生産することで1台あたりで圧縮される費用、つまり固定費をひたすら小さくしていったので、非常に安い自動車が生産できました。
しかし、このフォード社によるT型車の成功は長く続かず、GM社に追い抜かれてしまいます。なぜかと言うと、費用に関してはT型車は第一級でしたが、商品がT型車一種類しかありませんでした。そこで、お客様のニーズが変化してしまいます。
T型車よりデザインの良い車をGM社が売るようになり、安さよりデザイン性が求められるようになったのです。このように社会的に大成功した企業が同じ勝ち方にこだわり、後から出てきた、より良い製品を提供する企業に追い抜かれてしまうというのはよくあることです。
もう一つの例としてスイス製の時計の話があります。昔は機械仕掛けのスイス時計が大半のシェアを握っていました。しかし、69年12月に世界で最初のクオーツ式の腕時計を発売したエプソンに追い抜かれてしまいます。
このように、成功した企業が別の企業に上書きされるということはよくあることです。つまり、GM社は安さよりデザイン性にお客様のニーズがあると判断し、エプソンはクオーツ式という新技術の時計を市場に投入します。
このような判断をGM社とエプソンが計画して実行した(計画的)、あるいは偶然そうなった(創発的)、のどちらであれ、これらの経営的判断は経営戦略として考えることができます。
僕が考える上書きの経営戦略といえば、小売なのかも。小売も昔は八百屋や魚屋があって、商店街がありました。そこに大型のショッピングモールが出来たり、コンビニエンスストアというフランチャイズビジネスが台頭したりして、昔ながらの商店街というのはあまり見かけなくなりました。
しかし、ショッピングモールやコンビニエンストア、さらによく取り上げられるのが百貨店は、ネット通販に追い抜かれようとしています。僕にとって不便なのは街の本屋さんがなくなっていくことです。オンライン通販で本を買うほうが色々な本を目にすることができます。
社会の流れは一度進むと止めるのは難しいですね。僕はそれでもオンライン上でないリアルの店舗の可能性も信じています。多くの人が利益を分かち合えますように。次回は戦略と戦術について分析してみたいです。ではでは。
コメント