こんにちは。Inishie Once-in-a-Lifetime Chanceブログのいにしえ時渡です。現在、アダム・ベッカー著『量子力学に残された究極の問い』という本を読んでいます。
量子力学が出来上がるまでの裏話なのですが、本書を読んでいて気づいたことがあります。本書の冒頭で「シュレディンガーの猫」について語られる場面があります。
シュレディンガーの猫とは、粒子の状態が観測されるまでどのような状態であるか分からないことを言い、ちょうど毒ガス室の猫が蓋を開けてみるまで生きているか死んでいるかわからない状態をいいます。
毒ガス室の装置はある条件で毒ガスを発生させますが、毒ガスが発生したかどうかは蓋を開けて猫が生きているか死んでいるかを確認しないと分からないことを言います。
蓋を開けるとは、猫と粒子を確認することであり、蓋を開けた時に猫が生きているかどうかが確定します。粒子も観測するまで、どのような状態か分からないことを毒ガス室の猫に例えたのでシュレディンガーの猫といいます。
僕はこの作り話を読んでいて、哲学で言うところの予定調和つまり決定論の話を連想しました。
決定論とは全ての物質(人間や生き物を含む)の位置や速さが計算できる機械、ここではラプラスの悪魔という、があったとして、全てを計算できる機械があれば、過去から未来まで一通りのシナリオしかないことが分かるというものです。
つまり、全てのことを計算できる頭脳があれば、未来予測も簡単であるということです。案の定、ググって調べてみたら、シュレディンガーの猫は決定論に反しているという検索結果が出てきました。
このシュレディンガーの猫は量子力学のコペンハーゲン解釈とも関連があります。量子力学でのコペンハーゲン解釈とは、粒子の位置や状態は観測されるまで確定できず、確率を用いた大小関係としか把握できないというものです。
僕はここで、またまた連想するものがあり、人工知能のニューラルネットワーク、ディープラーニングと考えを結びつけることができました。
ちなみに、日本語でググって調べても、コペンハーゲン解釈とディープラーニングを結びつける検索結果は現時点では出てきませんでした。
ディープラーニングも確率的に答えを求める方法ですが、僕は決定論で言うところの意識や脳の働きはランダムなもので、宇宙という壮大な物理現象の中で、人間や生き物という細やかな存在がランダムとなり、世界に変化を加えているとしたらロマンティックだなと考えました。
もちろん、決定論では人間の脳も物質であり、脳の働きの意識もあらかじめ過去からの出来事の連続の一つとして決まっているとされます。
ここまでの話で何が言いたかったのかというと、物理や哲学、コンピュータ科学など、多くの学問はその頂点で同じようなアイデアを使いまわししているということです。
経済学と物理学なら最大値や最小値の考え方、ミクロやマクロと言った大小関係など、同じような発想を用いているということです。
そこさえ分かれば、新しい学問を学んだときも、ああコレはあの学問のあの考え方だな、というようにスムーズに理解できるようになるということです。
僕も最初に述べた本書ではまだ導入部までしか読んでいませんが、色々と読んでいるうちにアイデアが浮かぶことだと思います。そのアイデアを言語化することでアイデアは初めて価値を持ちます。
量子力学という難しい学問であったとしても、別の学問から引用されてきた内容を多分に含むというのなら理解も進むことでしょう。
僕も研究者としてはまだまだ未熟ですが、最近色んな意味で急成長を遂げています。今回の気づきも、その一環だったと思えば、嬉しいですね。
さて、今回はここまでの記事ですが、ある考え方に出会った時、他の似たような考え方に思いを巡らしてみてください。もしかすると、関連の深い別の考え方が思い浮かぶかもしれませんよ。そうすれば、理解は早まるというものです。
以上です。ではでは。
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