こんにちは。清藤士塾のいにしえ天命です。今日は3次式の解が簡単に求まる方法についてです。
まず、x^3+31(x^2)+311x+1001=0という式があったとします。僕たちはこれを解くために素因数分解しても構いません。素因数分解をすると、7 x 11 x 13 = 1001となり、(x+7)(x+11)(x+13)=1001で、x=-7,-11,-13となります。この素因数分解の方法は簡単そうですが、例えば700桁あるような数値を、つまり1の後ろに0が700個付くような値を素因数分解するにはパソコンを使っても現代の科学では解くことが出来ません。そこで、次の方法を選択します。上の式で、31も311もx^2とxの係数と言えます。この数値をxに代入してみます。
(31)^3+31(31)^2+311(31)=69223
69223を7,11,13でそれぞれ割ってみると、次のようになります。
69223 mod 7 = 0 mod 7
69223 mod 11 = 0 mod 11
69223 mod 13 = 11 mod 13
ここで、modとは割り算の余りを表します。剰余演算とも呼ばれます。 左辺の69223 mod 7とは69223を7で割ることを表します。右辺の0 mod 7は7で割った余りが0、つまり7で割り切れることを意味します。69223 mod 13の場合は、13で割った余りが11であると言えます。
ここで、一つ注意しておきたいことは、7と11と13の全てで余りが0、つまり割り切れてしまえば、答えの7と11と13は見つかりません。しかし、一つでも、つまり11 mod 13と一つでも割り切れない数があれば、少なくとも77と13に約数を分けることは簡単に出来ます。ここでユークリッドの互除法を見てみましょう。
69223と1001の最大公約数を求めます。
69223=69*1001+154
1001=6*154+77
154=2*77+0
1001/77=13
まず、ユークリッドの互助法では69223と1001の2つの値を扱います。69223を1001で割ってみます。すると余りは154になります。modを使って表すと、69223 = 154 mod 1001 となります。次に、先程の割った数である1001を余りの154で割ります。1001 = 77 mod 154となります。これで求めたい値の77が出ます。ちなみに、次の操作で、154=2*77+0となり、余りが0なので、77が最大公約数だったことがわかります。
次に、一番はじめの式x^3+31(x^2)+311x+1001=0のxの係数である311についてです。311をxに代入します。
(311)^3+31(311^2)+311(311)=33175303
33175303 mod 7 = 0 mod 7
33175303 mod 11 = 7 mod 11
33175303 mod 13 = 5 mod 13
ここで、33175303と1001について最大公約数を求めるべくユークリッドの互除法を用います。
33175303 = 33142 x 1001 + 161
1001 = 6 x 161 + 35
161 = 4 x 35 + 21
35 = 1 x 21 + 14
21 = 1 x 14 + 7
14 = 7 x 2 + 0
つまり33175303と1001の最大公約数は7となり、先程求めた13と77の77を7で割ると11が求まります。
(*)以下、後日、当記事にもう少し値の大きな3次関数の計算と、4次関数の計算を載せます。乞うご期待!!
【続き】上の計算を他の関数で試した結果、係数の31や311を代入しても上手く求まりませんでした。ここで、分かっていることをまとめます。
x^3+31(x^2)+311x+1001=0
1001 = 7 x 11 x 13
素因数分解できたら3次式の答えがわかります。また、xに-31を代入すると、次のようになります。
(-31)^3+31^3+311(-31)+1001=-8640
=(-7-11)(-11-13)(-13-7)=(a+b)(b+c)(c+a)
また、x=a-1とすると,
(a+1)^3+31(a+1)^2+311(a+1)+1001
=a^3+34(a^2)+376a+1344
-1344=(-7-1)x(-11-1)x(-13-1)=(-8)x(-12)x(-14)
x=a-2であると
a^3 + 37 (a^2) + 447 a + 1755 = 0
-1755=(-7-2)x(-11-2)x(-13-2)=(-9)x(-13)x(-15)
以上が現在分かっていることです。
ちなみに、
376 (-34) + 1344 = -11440
= (-20)x(-22)x(-26)=(-8-12)(-8-14)(-12-14)
次は、x=376ならば、どうかということです。
(376)^3+34(376)^2+376(376)+1344= ?
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